その他の危険
廃墟には数え切れない程の危険があります。細かいところを挙げればキリがないほどです。危険事項ありしだい順次追加していきたいと思います。
オートロックドア
電気仕掛けではなくてもオートロックドアというものがあります。廊下側のドアノブは回りません。鍵穴にカギを差し込んで回します。反対に部屋からはドアノブを回してドアを開けます。なので滅多に部屋に閉じ込められるという事はありません。ただ内側のドアノブが壊れてる場合、風でなどで閉まった場合、建て付けが悪く開かなくなる場合もあります。気をつけなければいけないのは屋上などです。オートロックドアのついてる屋上は外からだと開けることはできません。廊下側と部屋側のドアノブの構造が逆になっているからです。屋上に閉じ込められるという場合が多々あります。
落石
予想できない危険です。前触れなく襲ってきます。人の頭にサッカーボール程の落石があった場合、死に直結します。落石の直撃は被害が大きいものがほとんどです。落石がある場所というのは足場が良くない山肌が多いです。足場が悪く、よく滑る石などが多くある場合は自分が滑落していきます。滑落した場所に大きな開口部(穴)や突き出た折れた木、湖などあった場合、ただでは帰る事はできません。
放射線
病院廃墟で見かけるレントゲン室です。レントゲンはエックス線を照射して透過したものをフイルムに焼き付けます。エックス線は波長が1pm〜10nm程度の電磁波でレントゲン線とも言います。この電磁波の許容被爆量を超えると人体に影響を与えます。その影響は遺伝子に損傷を与え発がん性を持ちます。なおこの電磁波は機械にも影響を与えます。廃墟にカメラを持って行く人は多いと思います。この電磁波によって誤作動や故障を招く場合もあります。
ガラス
ガラスは割れているところに触れると当然肌が切れます。このガラスで切った傷口は鋭く深い事が特徴的です。よって出血の量もかなり多くなります。傷口からは廃墟内で飛び交っている菌が入り込む場合ももちろんある。割れたガラスを踏むことにより靴を貫通、足裏に刺さる事や、窓ガラスに触れて切ってしまう場合、そして一番怖いのは、ガラスが上から落下してきた場合である。そんなまさか〜と思うかもしれないが全くないとは言い切れない。左の写真のガラスがもし落ちてきたら・・・ 軽く1センチの厚さをもつガラスだが、この場所に2回目に行ったときはこのガラスごと下に落ちていた。
非廃墟
見た目は廃墟だが人が住んでいる。若しくはその会社なり旅館やホテルや病院が所謂現役施設である場合がよくある。休業や休館は廃墟とは別のものだ。もちろん空き家と廃墟も別物。しかしこの廃墟と非廃墟の区別はどこで線引きするかは難しい。もし廃墟だと思って入ったところが現役だった場合はどうなるだろうか?入口が草ボウボウだったし門が壊れていたから廃墟だと思った・・・なんて事は通用しないのである。
爆発物
廃墟内には人工的なものが風化して爆発物になるものがある。その典型的な例が消火器です。消火器の中で一般的な粉末式の消火器には加圧式消火器と蓄圧式消火器というのがある。加圧式消火器は内部にガスを封入しておく容器があり使用時にレバーを引く事により容器を切り、ガスが噴出して薬剤と噴射されるものである。一方蓄圧式は常時圧力がかかっているものである。レバーを引くことにより圧力を利用して噴射されるものである。廃墟にある消火器は底が錆びていたり容器が腐食していたりするものが多い。消火器の近くを歩いているときに振動で倒してしまって衝撃を加えたらどうなるであろうか?容器に致命的な傷でもできようものなら消火器が破裂するのである。ましてや底が錆びていたら消火器ごと飛んでいくちょっとした弾頭である。鉄の塊が頭に当たったらそれこそ大事に至る。飛んだ消火器が近所の民家や廃墟の外を歩いている人に当たる場合も考えられる。そして消火器が飛ばなくてもその場で破裂したら、消火器の破片が体中に刺さり、そして薬剤を浴びることになる。もう踏んだりけったりである。そしてごく稀ではあるが、過去に爆弾と思える物を作っていた形跡のある廃墟に行った事がある。それが左(下)の画像です。大量の花火の火薬を抜き、鍋に一まとめにして爆発物を製造していたのである。爆発物が廃墟内で爆発したら、無事に家に帰ることはまずなくなるであろう・・・
死体発見
危機管理とは多少話がずれるがこの死体発見は多くはないが全くない事ではない。廃墟内での死体の発見は度々報告される。私も過去数体の死体を発見した事がある。建物の中や敷地内(屋外)での発見。発見した場合はどうするか?これは人間の死体とひと目でわかる場合はもちろん警察に通報しなければならない。動物か人間か解らない場合、交番や警察署に相談という形で報告する。これは法律がどうこうというより人としての当たり前の行動である。廃墟に入っていた理由はもちろん聞かれる。そして死体発見現場に警察を案内する事になる。廃墟とは普段の日常生活では滅多に起こらない事が起こる場所という事は強く認識していかなければならない。
ネットでの情報流出
正直に言ってしまえば私が言えた立場にないことは重々承知しています。しかし、これは声を大にして言いたい事でもあります。廃墟探索者が多くなってきている昨今、その情報漏洩は深刻な事態を招くことになります。廃墟の場所の情報がネット上で簡単に手に入る様になっています。さて、この情報が簡単に手に入るとはどういった事になるでしょう?ただでさえサブカル的な要素、違法性要素を持ち合わせてる廃墟探索が簡単に行えて且つ、危険ではないという感覚に陥ります。「誰でも手軽に」というイメージが定着してしまいます。廃墟の情報が広まると、もちろん隠密に活動していた探索者にとってはよくない事が起こります。廃墟の破壊、落書き、荒らし、不法投棄、そういった事態が多くなり管理している側もその管理を徹底します。そしてこれは、後述致しますが廃墟での事件が多くなることも懸念されます。廃墟での殺人事件や強姦事件が起こったりする事も充分考えられます。ブログや日記で「どこどこが良く見える素敵な廃墟に言ってきました」や「今日どこどこにある廃墟に行ってきました」「いついつあそこの廃墟に行きますがどなたか一緒に?」などと言った日記をよく見かけます。廃墟に行く前の日記に「そういう犯行予告をしてはいけない」とコメントする方もいらっしゃいます。しかしその方がもし廃墟の日記を上げていたらそれは「犯行声明」という形に取れるのではないでしょうか?いずれにせよ50歩100歩でしかありません。たしかに表現の自由は憲法21条1項で定められています。しかしそれは公共の福祉の範囲内での事ではないでしょうか?私が言えた事ではないのは重々承知しています。が、最低限の守秘は持っていてほしいものです。
廃墟には想像を超える危険が本当にあります。ここに挙げてきたのはその全てではありません。よくある危険な事です。それも実際に起った事を特に重点を置いて挙げてあります。大袈裟に聞こえるかもしれません。発言に色が付いてると思うかもしれません。しかしこれはリアルにあり得る事、リアルにあった事だということを認識してください。これから廃墟に行ってみたいと思ってる方、既に廃墟に行ってる方、もう一度危機管理の意識の確認をしてみてください。知っていて絶対に損することはありません。もう一度考えてみてください。そして余談ではありますが、この危機管理を読んで下さって少しでもこの事に興味がおありの方でmixiをやってる方がいらっしゃいましたらコミュに「廃墟の危険性を真剣に考える」というコミュがあります。活発に意見が交わされております。是非ご参加していただければと思います。
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