細い山道を息を切らせながら登っていく。
整備されている道から少し外れると木々の間からその使われなくなった白い建物が顔を覗かせる。

実際、ホテルの廃墟というものは見所が少ない。
なぜなら、客室は同じパターンの繰り返しで左右の違いくらいしかない。
横に長いこのホテルも、その典型的な配置だ。

客室、大広間、ゲームコーナー、フロント、そして大浴場。
これがホテル廃墟の大まかな見所である。
街と共に発展してきた国産ホテル(廃墟ちゃんねる2、ARホテル参照)は、街が衰退を始めると
同時にホテルも衰退を始める。
街が復興してきても、ホテルは復活しにくい。
不況が落とす負の産物として、このホテルをはじめ廃墟は各地に存在する。

2008年、廃墟が解体ラッシュを迎えた。
各地の廃墟が次々に解体され、新しい建物が存在し始めた。
この不況の中でも、廃墟は姿を消して生まれ変わっている。
どうやら、我々が知らないもっと深い所で不況に対する政治的「裏」があるように思えてしまう。
それとも、廃墟が次々に解体されていくからといって、景気が上向きと思えるのは少々安直なのだろうか。注: 文字用の領域がありません!
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