真っ白な夢、夢の様な夢。
いつか覚めてしまうのがわかっているのに、
それでも夢見る事を夢見てしまう、
冬の最中に、春の訪れを待ち望むような、
そんな、始まりを告げる、夢の始まり。
松尾鉱山 〜冬〜
陽は差しているのに凍てつくような寒さ。
地吹雪が激しくて、ほんの少しの隙をみて撮った写真。
吹き溜まった雪の壁が今にも崩れてきそうな、そんな緊張感。
一歩一歩足を進める度に、膝まで飲まれる。
ただ幸いな事に、極寒の中の雪は凍りつき、思っていたよりは足をすくわれない。
何度も命の危険を感じつつも、足跡の全くない雪原に、人の痕跡を記していく。
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