かつて、トルコ風呂と呼ばれていたソープランド。
トルコ風呂はもともと中東での公衆浴場で垢すりのサービスを行なう場で、その大国「トルコ」が日本で紹介されたことに始まる。
そこでは異性へのサービスはなく、単純に垢すりを目的とした浴場であった。
1951年、東京銀座で初めて「トルコ風呂」が開店。
もちろん、女性は着衣しており、性的サービスは厳禁であった。
1953年、スペシャルサービスという所謂「手コキ」が売り物になる。
売春防止法が施行された1958年、赤線(半ば公認で売春が行われていた地域の俗称)がトルコ風呂へ流入。
店舗増加に伴いサービスの過激化が始まり1966年、風俗営業法の適用を受ける。
「トルコ風呂」が性風俗店として名前が根付くとともに、在日のトルコ共和国出身者が反発もつのっていった。
1984年、トルコ人留学生のヌスレット・サンジャクリ氏が当時の厚生省に名称変更を訴え出たことが発端となり、
名称公募の結果「ソープランド」と改称した。
ソープランドは風呂とベットのある個室がほとんどで、女性従業員が男性客に対し性的なサービスを行なう場所である。
本番行為(性交)は、あくまでも経営者側がソープ嬢に強要するものではなく、性交の義務や管理はしてはならないという前提がある。
これは売春防止法に基づく行為であり、入浴料とサービス料を別にしたり、ローションなどを女性が負担して購入するのもこの為である。
全国でソープランドは1200件(届出店)を超えるが、減少傾向にある。
それは、各地方自治体の条例などにより、福岡県の中州南新地を除いて新規に開業できない事が挙げられる。
このため、廃業した店は解体してしまうと新しく建て直す事ができなくなるが、建て替えによる改修は可能である。

法律上では、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)に定める店舗型性風俗特殊営業。 風適法第2条第6項1号「浴場業(公衆浴場法 (昭和二十三年法律第百三十九号)第一条第一項 に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」と定義されており、公衆浴場としての条件も満たす必要がある為、保健所の検査も行われる。また風適法第18条により風俗営業のため18歳未満は立ち入り禁止である。
自分が知らない世界を知るのはとても面白い。
知らない事が次々に自分に入ってくる面白さ。
廃墟を通じて、様々な歴史や社会情勢や日本の産業を知っていく。
廃れた景色を追い求めていた私だったが、いつしか日本の産業史に興味を持っていくようになってた。
このソープランドもその1つであり、懸念されながらも男の欲望と地域の財政を支えた事実は、日本の産業としては立派に確立されているものであると思う。
TOP